クラウドストレージの活用
ロカールが足りないなら、クラウドに保存すればいいじゃない。
これは PC よりもスマホ・タブレットで主流の考えかとは思いますが、PC の容量が昔とは逆に減った昨今にあってはこの考え方に頼るのもまた一つの手でしょう。
昔はクラウドストレージの容量はローカルよりも少ないのが常、課金するにしても高価でしたが、今やテラバイト級の格納容量を月1000円もせずに使えるのですから、これを活用しない手はないでしょう。
参考までに、私が主力として使用している Microsoft 365 シリーズだと、1TB の OneDrive に下記のサービスがついて下記のお値段。
- 個人向け:Microsoft 365 Personal
Office シリーズのフルセットその他がついて月額909円。
ちなみにこれはちょっとした謎があって、Android 版 Microsoft OneDrive のアプリ内課金から月額購入すると、最も安価なこの値段になる。 - 法人向け:Microsoft 365 Business Standard
Office シリーズのフルセットと、Exchange・Teams その他がついて月額1360円。 - 法人向け:Microsoft 365 Business Basic
Exchange・Teams その他がついて月額540円。
法人向けでは大抵ドメインが1個は必要になるので実際はもう少し高くなるものの、そもそもドメインはブログを運営している以上持っているであろうことを考えると、
「月540円で 1TB の OneDrive と独自ドメインのメールアドレスが付いてくる」と考えられる。
クラウドストレージの比較
では、容量当たりの単価でお得なクラウドストレージは、‥
‥といきたいところですが、実際のところは上記の Microsoft 365 のように、他のサービスをバンドルしての値段となっている場合も多々あり* 1わかりやすいところでは Google Drive もそれ。これは Google Drive の容量が GMail などとも共用であることに起因する。、単純にはいきません。
以下、有名所とその特徴、および概ねの値段になりますが、これを見てもいかに比較が容易ではないかは察せられるかと思います。
なお、予め述べておくと、ファイル容量当たりの単価が最も安価なのは、3人以上での使用が想定される場合に限りますが、Box の法人向けサービス(Business 以上) です――3人以上での使用かつ、1人あたり1800円と若干高額ですが、容量に制限がありませんからね。
Microsoft 365 Personal
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/buy/compare-all-microsoft-365-products
Microsoft の個人向けサービスです。
ストレージの容量は 1TB であり、他にも、
- Microsoft Office のフル機能(デスクトップアプリ版)
- Skype の無料通話60分
などが含まれており、むしろストレージがおまけですね。というかこのラインナップだと、「Office を契約したら OneDrive が 1TB 付いてきた」という認識の人の方が多いのではないかと思います
価格は一応、公式サイトから購入すれば年額12984円ですが、このサービスは App Store・Google Play のアプリ内課金を含めて販売経路が多岐にわたる上、なぜか価格が非常に安定しません。
確認した限りでは上述した通り Android 版 Microsoft OneDrive のアプリ内課金から月額購入すると月額909円で最安となります。
一般法人向け Microsoft 365
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/business/compare-all-microsoft-365-business-products
Microsoft の中小規模法人向けサービスです。
中小規模法人向けとは謳っていますが、大規模法人でない限り* 2これはライセンスなどの上の話ではなく、単に「サービス上300人超の組織を組めない」という制約によるもの。は誰が使っても問題はない、それこそ個人・個人事業主が使用しても何ら問題はありません。
プランおよび価格は以下の4つ。これに1TB のOneDrive が付きます。(これも Business Basic 以外は「OneDrive がおまけ」ですね。)
- Business Standard
Microsoft Office のフル機能(デスクトップアプリ版を含む)と Exchange・Teams その他。月額1360円。 - Business Basic
Business Standard から、デスクトップアプリ版Officeを省いたようなセット。月額540円。 - Business Premium
Business Standard にセキュリティ対策と端末管理を加えたようなセット。月額2180円。 - Apps
Business Standard から、Office スイート以外を省いたようなセット。月額900円。
私たちのように個人事業主的色彩が強い場合、Business Premium はやや機能が多すぎること、Apps は Exchange が付属しないという問題があるため、Office スイートの使用状況によって Business Standard か Business Basic を選ぶのが無難かと思います。
ちなみに比較してみるとわかる通り、Business Basic の安価さはクラウドストレージ中でも屈指です。(更に、Exchange の機能まで付与されることを考えると、非常にお得感がある。)
Google One ストレージ
https://one.google.com/storage
Google の個人向けサービスです。乱暴に言ってしまえば「課金で容量を拡張した Google Drive」。
- 100GB/250円(月あたり)
- 200GB/380円(月あたり)
- 2TB/1300円(月あたり)
以上のように、「容量は抑えめな代わり、非常に安価」「そこそこ高額だが、大容量」の両極端なプランが用意されています。
ここまで区切りが細かいとむしろ、「容量が溢れたら次のプランに変更」でも十分やっていけるでしょう。
なお、Google Drive の容量は GMail・フォトなどと共用であるため、知らぬ間に容量を食い潰していたことは珍しくないかと思われます。
この場合も容赦なく課金ですね。
Google Workspace
https://workspace.google.co.jp/pricing.html
こちらは Google の法人・チーム向けサービス。チームですが、ひとりチームを組むことも可能です。
ストレージだけ見ると 2TB/1360円・5TB/2040円 ですが、むろんこれは Google One ストレージ同様「Google の共用部分として 2TB・5TB」と考えるべきです。
Dropbox
古株ですが、未だに現役です。2TB のストレージで月あたり1200円。
Box
https://www.box.com/ja-jp/pricing/business
個人向けのサービスは容量が小さめかつ高額なのですが、法人向けプラン(Business 以上)になると容量が無制限になります。
ただし、法人向けプランは最低使用人数が3人以上で、かつ1人当たりの価格も1800円と高額な部類には入ります。
3人以上で組織を組む予定があり、Google や Microsoft などのような他のサービスのバンドルを期待しておらず、高額なのを厭わなければこれが効率的には最も良いでしょう。
他のクラウドストレージは?
クラウドストレージは他にも多数ありますが、これらのサービスは他のアプリケーション、たとえば Android のファイルマネージャ、Microsoft Store のファイルマネージャで使用する前提で考えた方が良いでしょう。
そうすると自然、対応がなされやすい「古参」「大手」という条件が必要になってきますが、上記はその条件を満たす中でもサポートされている率が比較的高いものとなります。
また、日本で使えるようになってから日が長く、日本語がきちんと用意されているのも、英語苦手の民にしては有難いことです。
無償のクラウドストレージは?
今回、無料のクラウドストレージは候補から外すものとします。
というのも、無償で提供される容量はどのクラウドストレージでも「試供品」の域を出ない、それこそ数ギガバイト~十数ギガバイトがいいところですし、無償のものをいくつかき集めたとて有償の一つの足元にも及ばないでしょう。それではさすがに実用的ではありません。
クラウドストレージの価格は昔より遙かに安くなっています。まして、上記のような月額あたりワンコインちょっとの場所すらある。
その中でちまちまお金をケチる意味はないでしょう。
注釈